鶉支店 支店長 小川 秀子(1989年入行)
いつも、そこにあることの大切さ。
小川:ここは市内でも田舎の雰囲気を残している地域なんですね。でも、こうした環境と中心部へのアクセスの良さが評価されて、子育て世代の若いご夫婦が転入されるケースが増えているんですよ。中心部の小学校が統廃合される中で、こちらの小学校は校舎が増設されています。来店されるお客さまも、小さなお子さまを連れたお母さんが多くいらっしゃいますね。

一見すると、住宅と農地の他は何もない静かな土地なんですが、実はたくさんのご家族の暮らしが息づいていて、そこには必ず明日への希望や夢があります。鶉支店は、個人のお客さまのみを対象とする個人特化店ですから、将来に備えた預金はもちろん、お子さまのための学資保険のご提案など、ご家族のより豊かな未来づくりをお手伝いすることが私たちのミッションになります。

また、古くからの住宅街には、リタイヤされた高齢のお客さまもいらっしゃいますから、資産運用のご相談をいただく場合も多いですね。十六銀行も大きな組織になり、取り扱う金融商品やサービスの幅も広がりましたが、お客さまにとっては“昔からある地元の銀行”です。その身近でフレンドリーなイメージを大切にしながら、地域のお客さまが気軽に相談できる、お客さまの暮らしと未来により役立つ支店に育てていきたいですね。
小川:つまり、支店というのは、家族のようなものだと考えているんです。たまたま家長が私で目標を提示する役割ですが、それを達成するためには行員みんなの力がなくてはなりません。ひとり一人が自分のミッションを果たすだけではなく、協力し助け合わなければゴールは見えてこないんですね。支店はその意味でひとつの運命共同体です。

誰かが困った場合には必ず別の誰かが手を差し伸べる。そうした関係の中で行員が一致団結して目標を達成していくのが支店というものですし、そのやりがいや達成感も、全員の協力があって初めて感じられるものなんですね。そのためには、誰もが自分の思いを気兼ねなく言い合える雰囲気づくりが必要だと思います。だから、まずは支店長の私から行員やパートさんに声をかける。グチでもいいから意見を言ってもらう。困りごとが表面に出るようになれば、グチもみんなで検討し解決すべき課題になる。そんな風通しの良い環境をつくりたいですね。

自分の意見で支店が変わるという実感を持てれば、モチベーションは上がるでしょうし、いつ来店しても行員たちが気持ちよく働いている支店なら、お客さまも気持ちよく過ごしていただけるはずですから。
小川:
私が入行した頃は、女性は窓口専門で融資などの複雑な業務はほとんど男性が担当していました。今は男女の別なく、どんな部門でも女性行員が活躍していますが、産休や育休制度の充実といった仕組みの変化以上に、働く女性に対する理解が進んでいることが働きやすさにつながっていると思います。

また、地方銀行ですから勤務先も遠くはない。保育所不足と言われていますが、地元なら実家に預けるなども選択肢もありますし、そのようにして育児と仕事を両立されている行員の方もたくさんいます。働く女性にとっても、地元は優しいんです。

午後3時。閉店時間を過ぎても、ローンカウンターでは白髪の男性が担当者と熱心に話し込んでいる。カウンターの内側では現金計算などの閉店業務がピークを迎えている。キビキビと働く行員の姿を眺めながら、小川支店長は「実は、鶉は私の母方の実家があった町で、こどもの頃に遊びにきた記憶があるんです」と言う。「おばあちゃんちの町の支店長になるなんて考えてもみなかったことですが、こんなこともあるんですね」その言葉には、銀行員として着実にキャリアを重ねてきた自負とともに、それを支えてくれた仲間や家族、そして地元に対する感謝の気持ちが滲んでいる。

けれど、小川にとって鶉支店長が最終到達点ではない。彼女が今後挑戦したいのは、これまであまり縁がなかった事業性融資の勉強。「個人のお客さまだけではなく、法人のお客さまにも喜んでもらえるようになりたいです」と春のような笑顔になる。十六銀行員という仕事にゴールはない。
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