トップ > 奨学金給付事業について > 奨学生からの便り

奨学生からの便り

私は現在、名古屋大学法学部法律・政治学科に所属しています。
一年次は法学・政治学の各学問分野の基礎を学び、憲法、民法、政治学原論といった入門的な講義を受講しました。中でも、政治学原論の講義で、政治機構の仕組みを理解するだけでなく、熟議民主主義という概念を学ぶことができたことが印象的です。物事を決定するという行動は、政治の世界だけでなく、私たちの生活でも数多く発生しており、まさに自分自身の問題としてとらえることを意識できました。
二年次からはゼミナールが始まりました。現在、現代政治・公共政策の比較分析を行うゼミナールに所属しています。政治上の争点や新たな公共政策が求められる問題について、国際比較や歴史的経緯の分析を通じて、検討を行います。扱う問題は自分自身の興味関心に合わせて選択するため、私は本当に学びたいことを学べています。文献講読や課題を扱う映画などの視聴により、現代政治や公共政策を分析し、その後のグループディスカッションで、複数の視点から議論することで理解を深めております。討論する時間は非常に充実しており、体感ではあっという間に過ぎ去っていきます。講義での学びを蓄積し、ゼミナールでアウトプットしていくことで、大学での学びを自分のものにしていきます。
課外活動では、TEDxNagoyaUという名古屋大学公認サークルで活動しています。世界トップクラスのプレゼンテーションを紹介するスーパープレゼンテーションや英語教材としても有名なTEDからライセンスを正式に取得し、名古屋大学にてプレゼンテーションイベントを企画・運営しています。これまでTEDとの英語でのやり取りや、パートナー企業の方々との交渉といった渉外業務を1年半担当してきました。自分が働くことでイベントが出来上がっていくのだという一体感や教室で座っているだけではできない社会経験は、お金には変えられないものです。2024年9月からはサークルの代表として活動しており、アトランタで開催されたTEDカンファレンスへの参加を含め、貴重な機会を数多くいただいています。
学業も課外活動も、24時間365日という決められた時間をいかに有意義なものにするかは自分次第です。待っているだけでは得られないことが多いので、自分から主体的にチャンスをつかみに行く姿勢を大事に、「自分にしかできない学び・挑戦」を続けていきます!



名古屋大学 今井宏晃


こんにちは。私は現在、名城大学農学部応用生物化学科に所属しています。有機化学、無機化学、生物化学などの化学を基盤として遺伝子工学や細胞生物学を取り入れた生命現象について学んでいます。また、生物物理化学から理論的思考を生命現象に落とし込み、分子論的視点から生命科学を究めています。つまり、私の所属する学科では、バイオサイエンスやバイオテクノロジーを学んで分子レベルで生物及び食品機能の解析や新たな生物活性物質の解明、分子設計を行っています。一年次では、日本の文化と歴史や社会学、暮らしの中の法律など幅広い教養科目を学び、専門科目の入門として生物学や化学、数学及び応用生物化学概説などについても学びました。加えて、近年注目されているAIデータサイエンスについて学ぶ機会がありました。二年次では、実験実習が充実しており、専門科目では上述したような化学を基盤とした科目を学んでいます。二年後期から始まる応用生物化学実験は、他の科目と異なり週4日設けられています。この実験を通して、応用生物化学科全分野の専門知識や技術を習得できます。限られた時間の中で、「次はどんな操作をするべきか」、「この操作は何のためにあるのか」、「この試薬を加えるのはなぜか」、「なぜ失敗したのか」、「課題解決のためどのような追加実験をするべきか」、などといったことを主体的に考え、文献を調べたり、時には先輩や教授に教えていただいたりしています。
そして私の所属する農学部では、年に二回、スポーツ大会が開催されます。勉学に励む中で、時にはこうして思いっきり楽しんでいます。
私は、筋収縮がミオシン分子の首振りではなく、ブラウン運動というゆらぎを利用して起きていることを工学的に提唱した柳田敏雄博士に感銘を受けています。柳田博士はもともと半導体などを専門としていましたが、工学系の知識を活かして畑違いの生物学において新たな発見をしました。私も柳田博士のように幅広い知見を持って、思い切った新しいことに挑戦し研究したいです。 進学を目指している皆さん、バイオの分野で一緒に新しいことに挑戦してみませんか?
皆さんの幸運を祈っております。



名城大学 青木花穏

こんにちは。私は、現在同志社大学理工学部機械理工学科に所属している石川祥明と申します。私の所属している学科では、材料力学、熱力学、流体力学、機械力学といった機械の基本知識となる四力を中心に学び、その知識を機械の様々な観点に応用することを考究する学科です。
以下ではこれまでの大学生活を通して印象に残った事を挙げていきたいと思います。
1つ目は、機械工学概論です。
この講義では、その名の通り、様々な分野でどのようなことを研究、開発しているかを学び、実際に自分たちもそれらの研究に簡易的ではありますが触れようというものでした。私は、初めこの講義は自身の目標である、機械の設計や制御には直接繋がっていない分野が多くあると感じ、あまりそのような分野に関心を持てずにいました。しかし、教授の「機械屋さんはお医者さんと違って人の命を直接救うことは無いが、一つのミスで多くの人の命を奪ってしまうことがあり多くの知識を正確に取り入れることが重要である」という言葉に感銘を受けて、熱意をもってより多くの分野に取り組むきっかけとなりました。講義の後半では、小型ロボットをプログラミングによって動かし、物を持ち上げ、所定の位置まで運ぶという実験を行いました。一見これだけ聞くととても簡単そうに思いますが、実際は物を持つためのアームの位置調整や移動時間の調整など少しのズレだけで失敗してしまいます。また、重力やその他外力による外乱で同じ設定をしても、違う結果が生じるという事が起こりました。そんな時にグループの皆で解決策を講じ最終的にこのタスクが完了できて喜んだ事を今でも覚えています。
2つ目は、製図学です。
製図は一年生、二年生共に行っており、提出が締め切り間近になると週7日学校に籠ることがとても多いです。とても大変なことですが、これを学ぶことによって、ロボットを作るための土台が築けていると考えるとワクワクが止まりません。

進学を目指す皆さんは、今後何をしていきたいとお考えですか?是非1度自分に問いかけてみて下さい。その中で興味のある事、好きな事には是非挑戦してください。一緒に頑張りましょう!



同志社大学  石川 祥明

岐阜大学教育学部 学校教育講座心理学コースに所属している生駒葵と申します。大学では、小学校・中学校の教員になるための学習に加えて、公認心理師という資格を取得するために学びを深めております。
岐阜大学教育学部には独自のプログラムがあり、三年次の教育実習に向けて、一年次、二年次に実際の教育現場に携わる機会を頂きます。これは、児童・生徒と関わり、実態を把握しながら学習を進めることができるので、日々の学びにより身が入ります。
専攻である心理学分野では、現在は、人の感情や行動、思考について科学的に解明するために必要な心理統計に力を注いでおります。心理学というと、人の心を読む催眠術のようなイメージを持つかもしれませんが、主にデータを分析して見えない人の“心”を理解しようとする学問なのです。人だけではなく動物も扱うため、非常に研究分野が広いのが特徴の一つです。それらを解明して、悩みを抱える人をサポートしたり、暮らしやすい社会に繋がる手伝いができたりと重要な役割を担っている心理学に感銘を受けました。将来、心理師として心の問題を抱えるクライエントにサポートを行えるように、日々知見を深めてまいります。
学業と同様に、大学に入学してから熱中して取り組んでいるものがあります。それは、「Ryugaku Love」、「里山暮らし応援隊」というサークルでの活動です。
前者は、世界各国から訪日する留学生と交流し、親交を深める目的のもと、様々なテーマで話したり、学校祭にて模擬店を出店したり、祖国の料理を持ち寄ってパーティーを開催したりしております。国によって異なる興味深い文化への理解が深まり、新しい価値観を吸収することができる貴重な時間を頂けることは、非常に光栄なことであると実感する毎日です。自分でも日本と世界を繋ぐことができるかもしれないと感じられる場に感謝しております。
後者の活動では、岐阜県揖斐川町春日にて、現地の農家さんとコミュニケーションをとりながら、地域の活性化に取り組んでおります。過疎化に直面する里山地域ですが、「岐阜のマチュピチュ」と呼ばれる天空の茶畑やさざれ石公園、貝原棚田など観光名所も多くあります。今後も、若者をはじめとした多くの人に興味を持ってもらえるように、春日の魅力をアピールしていきます。
この他にも、素晴らしいもので溢れている岐阜県で、様々なことに挑戦することができ、非常に充実した日々を送っております。高校生の皆さんには、どこの大学かよりも、自分のやりたいことができそうかを大切にしてもらいたいですが、どこに進学しても自分次第で充実させられることを頭の片隅に置いてもらえたら嬉しく思います。



岐阜大学 生駒葵