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奨学生からの便り

 大学に入学し、早1年半が過ぎました。高校生までの自分に比べ、大学生の自分は広い世界に生きていることを実感しつつ、日々を過ごしております。
 私は医学部で将来医師となるべく勉学に励んでおります。それは、高校生までの受験勉強とは質的・量的に異なるものです。例えば、現在は解剖実習の真っ只中であり、献体してくださった御遺体を使って、隅から隅まで解剖し、体内の臓器、血管、神経などがどのように位置しているか、それはどのような機能を持っているかを勉強します。すでに座学では、物理学・化学・生物学などを土台にした生理学や医化学など、人体の機能を学びました。そして座学で学んだ基礎医学の知識と連関させながら、人体の構造を理解する、そんな総合的な学問が、現在やっている解剖学という勉強だと思います。そしてこれは、医師という職業に直結する必須の勉強であり、勉強に対する緊張感が高校までとは違います。暗記量も高校以前とは比べ物になりません。勉強は確かに大変ですが、膨大な医学の知識の中に、それを築き上げた先人の偉大さを垣間見ることができ、また人体の美しさを知ることができ、楽しく学んでおります。
 高校生の中には、今やっている数学や化学といった勉強が将来何の役に立つのかと疑問を抱いている人もいるでしょう。たしかに、私自身、学部での勉強のほとんどは暗記です。しかし、そういった勉強は論理的に考える頭をつくるものだと私は考えています。三角関数や微分積分を直接生活の中で使うのではありません。そういったものを勉強する中で鍛えられる、論理的に組み立てる力、表現する力、問題解決能力といったものを使っていくことになるのです。
 「解決」する能力に加えて、私が重要だと考えるのが「創造」する能力です。創造は、多様性の中に生まれると言います。一見結びつきそうにないことを結びつけることで新しいものが生まれると言います。その信念のもと、私は学部の勉強に加えて物理学を勉強しています。今は、興味のある相対性理論、流体力学などを独学していますが、いつか医学と物理学の架け橋になって新しいものを生み出せたら、と考えています。高校までの勉強はある意味閉鎖的です。ところが大学受験の先には、青天井な学問の世界が広がっています。その中で自由に学び、自分の個性を作っていこうと思います。
 私の大学生活を支えるのは、勉強に加えて部活です。陸上部に所属し、長距離走の練習を日々行なっています。東日本医科学生総合体育大会では入賞し、また次の目標へと仲間と切磋琢磨しております。これは、目標を達成するために逆算してどのようにトレーニングを積めばいいかを考える良い機会になっています。
 また、上京してから関わる人の幅が大きく広がりました。様々な年代や経歴を持った人に出会いました。その中で得られる刺激はとても大きいです。また、高校時代にはなかった貴重な経験も多くさせていただきました。例えば、帝国ホテルの三田倶楽部でピアノを演奏させていただいたり、岐阜県出身で様々な方面でご活躍されている方々とお話ししたりと、東京に出てきたからこそ得られるものは大きいと感じております。また同時に、東京岐阜県人会などを通して岐阜出身だというネットワークの重要性をひしひしと感じ、故郷に益々誇りを持つようになりました。
 以上のように、大学に入って私の世界は大きく広がりました。中高生の方々は、どうしても目先の勉強などに追われがちだとは思いますが、その中でも自分の好きなこと、得意なことをみつけ、極めてみていただきたいと思います。



平成29年度奨学生 大島鴻太(慶應義塾大学)


 私は愛知県立芸術大学のデザイン・工芸科2年に在籍し、デザインを学んでいます。昔から絵を描くことが好きで、得意なことを生かした仕事に就きたいと思い、この大学に入りました。デザインと聞くと第一に想像するのは広告などの、視覚から伝わる媒体だと思います。そして他にも、立体のデザイン、映像のデザイン、空間のデザインなど様々なデザインの種類があります。最初はこれってデザインなの?と悩む授業もありましたが、1年と半年を通して、デザインとは何かを感覚的に分かりつつも、完全にはつかみきれない不思議なものだと思うようになりました。
 また、自分が作ったものが他者を喜ばせる、影響を与えたと感じるとき、とても幸せな気持ちになることを、授業を通して学びました。デザインの授業で、私は4人のグループで子どもたちに向けた創作ダンスの制作と発表を行ったのですが、製作段階では常にこの作品はダンスをする子どもたちのために作るのであると考え、歌詞は覚えやすいか、踊りは敵年齢の子どもにも真似できるかなど様々な思考を仲間と行い、1つの作品をつくりました。他者のためを思ってものを作る時、自分の能力以上の結果が出ます。この体験は自分がどこに幸せを感じるのか理解できたと共に、仲間と苦労し励まし合いながら1つの目標に向かってやり遂げる楽しさも学びました。デザインに関わらず、社会に貢献しながら生活するのはとても楽しく大切なことだと思うので、皆さまにもぜひ体験していただきたいです。
 大学生活も残り半分に差し掛かっており、大学の授業の内容もより専門的なものになってきました。自分の興味のある分野を専門的に学ぶのはとても楽しく、これが仕事になっていくんだ、という緊張感を持ちながら授業に取り組んでいます。私は大学すぐ近くの学生寮に住んでいるので、授業時間以外にも、自分が制作したい時間(早朝や休日)に自由に学校に行くことができています。恵まれた環境で自分が勉強できているという思いはとても強く、この生活は奨学金があってこそ成り立っているものなので、周りの方々に支えられていることをばねに、これからも学んでいきます。
 今進学を目指して頑張っている学生の皆さまが、学びたいことを学び、充実した学生生活をおくることを心から願っています。



平成29年度奨学生 加藤麻衣(愛知県立芸術大学)

 生まれ育った岐阜の街を離れ、東京で一人暮らしをはじめてから1年半が経過しました。この1年半は、思っていた以上にはやく、本当にあっという間でした。私は大学生活を通して、大きく変わったと思うことが二つあります。
 まず一つ目は、学業への取り組み方です。私はいま法学部で、主に法律に関係することを学んでいます。高校生までの勉強は、ほとんどの教科が、暗記とそれらの活用でした。ですが、大学での学業はまったく違いました。基本的に、法律の世界には完全な正解がありません。現在定められている法律や、行われている裁判が正しいかどうかもはっきりとは分かりません。私は、法学というのは、そんな正解がない中で、現在定められている法律や主な判例を学びながら、自分が正しいと思う考えを見つける学問だと思っています。正直、難しい用語や複雑な論理の組み立てなど、ついていくのに必死なこともたくさんありますが、自分が生きている世界のルールを様々な角度から学び、深く考えることはとても面白いです。
 二つ目は、自分自身です。高校生までの私は、どちらかというと友人が多い方ではなく、あまり外に出ることが好きではありませんでした。家で本を読んだり、図書館で勉強したり、一人で過ごすことが好きでした。しかし、大学生になって、学部生が30人ほど所属しているサークルに入り、全国から集まったたくさんの先輩、同期、後輩の友達ができました。みんな本当に優しくて、人としての魅力に溢れていて、私は人との関わりの素晴らしさを知ることができました。いまでは、彼らと一緒に授業を受けたり、合宿に行ったり、時には息抜きで遊びにいったりと、とても楽しい日々を過ごしています。また、サークルのOBの方とお話しする機会に進路の相談などをさせていただきました。
 私がいま、こんな風に楽しく充実した学生生活をおくることができているのは、十六地域振興財団さまのあたたかいご支援のおかげです。心から感謝申し上げます。今後も勉学に励み、お世話になった方々に恩返しができるような立派な人間になれるよう、励んでいきたいです。



平成29年度奨学生 篠田光夏輝(早稲田大学)

 大学に入学して二年が経ちました。小さい頃からの夢である看護師になることを目指して、日々勉学に励んでいます。最初は看護の基礎として、解剖学や生理学、看護倫理などを学んでいましたが、今では領域別に分かれて狭い分野でより詳しく看護を学んでいます。また、病院や施設での実習もあり、そこでは実際に患者さんを受け持たせていただき、患者さんの現在・過去の状況や患者さんの意向を踏まえたうえで必要な看護ケアについて考え実際に行いました。
 私が看護を学んでいて感銘をうけたことは、患者さんの個別性にあったケアを行うことで、患者さんの状態の回復や機能の維持に繋がるという点です。看護の現場には大人から子供まで幅広い年代の人々を対象としており、年齢や性別によってなりやすい疾患や援助の方法も全くことなります。また患者さんの性格や価値観、今までの生活なども影響しており、たとえ同じ疾患であっても全く同じという人はいません。私たちはそれらを踏まえて患者さんに必要なケアをしていく必要があります。とても難しいことではありますが、患者さんの状態が少しでも良くなった時や、患者さんから「ありがとう」と言ってもらえたときは、とても達成感を感じられます。私自身、実習でそのようなことがあって、すごく嬉しく感じたし、自分たちの働きが患者さんに直接影響するという点で看護という職業がすごく良いものだと思いました。
 看護という職業は責任感があり、患者さんに適切な看護を考えることは決して簡単ではありません。覚えるべき知識も多く、コミュニケーション力や判断力なども求められ、すごく大変な職業であると思います。ですが、達成感が得られるし、自分の成長を感じられる職業でもあると私は思います。学ぶことは確かに多いですが、少しでも多く知識を得られるように、これからも勉学に励んでいきたいです。
 最後に、今このように大学生活を送れているのは、私を支えてくれる家族や十六地域振興財団様のご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。これからも精一杯精進していけるように、頑張ります。



平成29年度奨学生 長谷川風菜(愛知県立大学)

 私は現在、神戸市外国語大学の2回生で、国際関係学科に所属しています。小さい頃から外国の方と触れ合う機会が多く海外に興味を持っていたため、現在こうして国際関係を勉強できていることに充実感があります。私が大学生活において大切にしているキーワードは二つあります。それは『教育』と『海外』です。現在、私はヨーロッパの教育システムに興味を持って勉強に励んでいます。将来は日本の教育制度をより平等で開かれたものにしたいと考え、教育に携わる仕事をしたいと思っています。教育への自分なりの取り組みとして、教育関係のボランティアをしています。一つは経済的な理由で塾などに行けていない中学生の学習支援、もう一つは日本に住んでいる日本語学習者に日本語を教えるサポートです。このように、自分なりの問題意識を持って社会の一員として貢献しようと日々努めています。特に日本語学習の支援は、自分が日本と世界を繋ぐ一端を担うことができていると感じ、嬉しい気持ちと同時に活動に誇りを持っています。
 また、大学で国際社会を学ぶうちに、その地域の言語に興味を持ち始め、現在は英語、フランス語、スペイン語の3ヶ国語を学んでいます。英語は検定1級とTOEIC900点を目指し、フランス語は検定準2級を目指して勉強中です。自分の興味のある分野を広げながら深く学んでいくことで世界が大きく開けて見えるようになり、1年間での自分の成長を本当に実感します。1年前には想像もしなかった自分になれていると思えます。高校の時は大学に行くことだけが目標でしたが、今は大学がゴールではないと感じます。大学は自分を成長させてくれる大きな過程だと思います。
 大学に進学を考えている皆さん、受験勉強ももちろん大事ですが、今自分は何をしたいのか、自分の興味のあることは何なのかを見つめ直すということをしてみてください。大学の環境というのは非常に大切です。自分の興味のあることをとことん追求できるのが大学の良さですし、同じような目標を持つ仲間が刺激となってより高い目標を持つことができると思います。
 最後になりますが、このような素晴らしい大学生活を送れているのは十六地域振興財団様を始め、たくさんの人々の支えがあってからこそだということへの感謝を忘れず、これからも学業に励んでいきたいと思います。



平成29年度奨学生 山下綺良々(神戸市外国語大学)