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奨学生からの便り

 東京大学文科一類2年の越智遼平です。奨学生からの便りということで、私の大学の様子や高校生へのエールを書いていきたいと思います。
 私の大学は前期課程と後期課程に分かれています。前期課程では文理を問わずに幅広い学問を学び、後期課程では専門分野を深く学んでいきます。どの授業も各分野の最先端で日々奮闘しておられる先生方から学ぶことができます。私の思ったことをいくつか書きますので、大学とはどんなところか感じてもらえば幸いです。
 まず、先生方のレベルが圧倒的に高いです。私の専門は法学で、法学部の教授の講義を受けることが多いですが、法学部の教授のほとんどが英語、ドイツ語、フランス語に精通しています。すごい人になるとラテン語までペラペラの人がいます。さらに、講義も一貫して知識を教えるだけでない、その背景の思想や歴史に触れ、知的好奇心を満たしてくれるものです。日々、学ぶことの奥深さや学問とは何かということを考えさせられます。
 次に、大学は自分で勉強するのが基本だと強く感じます。いくらすばらしい先生方でも、授業だけで教えられることは限られています。しかし、授業ごとに膨大な参考文献がリストアップされ「勉強したい人はそれを読むように」と指示を受けるため、勉強したい人はさらに学びを深めることができます。高校生までは「やらされる勉強」がメインでしたが、大学生になってからは「自分で貪欲に追求する勉強」が主になっていると痛感します。
 このように、知の最前線におられる先生方から知識を学ぶことに喜びを感じるとともに、「知」とは何かを日々考えさせられます。知とはただ知識があることだけなのでしょうか?より多くの歴史上の出来事や数学の公式を学ぶことだけが知を身につけることなのでしょうか?私はそうは思いません。知とは、知識を学ぼうとする姿勢そのものだと思います。ですから、大学生になっても、大人になっても学び続ける姿勢を忘れない人が真に「知」ある人になるのではないでしょうか?そして、そのような姿勢を基礎づけるのが小中高の「やらされる勉強」に他ならないと思います。今は大変かもしれませんが、学び続ける姿勢を忘れないでください。最後にアメリカ第3代大統領のトマス・ジェファソンの言葉を贈り、皆さんの健闘を祈ります。

“He who knows best knows how little he knows.“
『最も知ある者は、自分が大して物を知らないことを知っている者のことをいう』



2019年度奨学生 越智遼平(東京大学)


 私は、滋賀大学経済学部会計情報学科に通っています。滋賀大学に決めた理由として、専門的な会計の知識を学びたいという目標があったからです。そのため、資格取得には特に力を入れています。高校時代に簿記2級を取得し、大学では簿記1級の取得を目指し日々勉強に励んでいます。他にも、会計だけでなくファイナンスや英語の資格など多種多様な資格に挑戦しています。
 また、私は夜間主コースに在籍しているため年齢の幅を超えた交流をしています。その中には、働きながら大学に通っている人や働いていたけど大学で学び直したく仕事を辞めて大学に入ってきている人もいます。そのような人と、交流するようになり、自分の中での世界が広がりました。大学に入った当初は将来のことをなにも考えずどこかに就職できればいいなと思っていましたが、そのような人と話す中で、自分の夢をしっかりと決めそれを極めることの大切さを日々学んでおります。普通の大学生では、なかなか経験のできないことをさせてもらっています。
 今の、高校生に向けたメッセージとして「目標は諦めなければ絶対に成功する」と言う言葉を送りたいと思います。私の通っていた高校は進学校ではなく商業高校でした。学校自体、高校を卒業して就職する人が多い中で私も3年生の春までは就職することを考えていました。しかし、周りの友達が進学すると言うことで親に相談して進学することを決めました。また、私の家庭は母子家庭だったのでお金がたくさんかかる私立大学に行かせるのは厳しいと親に言われ、私は進路指導の先生に相談し富山大学と滋賀大学の夜間主を紹介してもらいました。私は、学校で頭がずば抜けてよかったわけではないので周りからは無理だろうと思われていましたが、自分の決めた道をしっかり貫こうと思い受験しました。富山大学には落ちてしまい、後がない中での滋賀大学の受験でしたが無事に合格することができました。目標をしっかりと決めて諦めなければ結果が付いてくると思います。何事も最後まで全力を尽くすことで自分の道が開けると感じます。



2019年度奨学生 小國渓吾(滋賀大学)

 私は、岐阜大学地域科学部の地域文化学科に所属している2年生です。所属する地域科学部では幅広い分野を学んでおり、日々知識を深めています。高校1年生の頃から目指していた岐阜大学で勉学を続けることが出来ているのは、十六地域振興財団の皆様の支援のおかげであり、大変感謝しております。
 私は、自身が学びたい科目を履修し、自由にカリキュラムを組むことが出来るという地域科学部の特色を生かし、様々な分野を学んできました。そして、私は勉学を重ねるにつれて心理学という分野に興味を持ち始めました。心理学に興味を持ったきっかけは2年次前期に受講した「人間発達論」という講義を受けたことです。この講義では私たちの周りに渦巻く生活問題を題材にしている為、自分の生活と照らし合わせることでよりリアルに捉えることが出来ました。個々人によって達成出来るハードルは異なることや、一面から見た能力の高低がその人自身の高低を決める訳ではないことを学び、多面的な見方の大切さを知りました。また、受講生全員のコメントを共有することで自分とは違った考え方を吸収することができ、視野が広がりました。私は心理学をもっと探究したいと思い、現在では心理学に関連したゼミに所属しています。かなり専門的な内容であるため難しさはあるものの、理解が深まり知識が身についていることに喜びを感じ、好きな事を学べる楽しさを実感しています。これからも引き続き勉学に励んでいきたいと思います。
 アルバイトでは、NPO法人が経営するポポロ学習支援室で学習支援を行っています。ここでは、学校に行くのが辛い、勉強が分からないなどの悩みを抱えている子どもたちを対象に勉強を教えています。一人一人の性格が違い、繊細な心を持つ子どもが多い為、勉強の教え方や接し方などに気を配りながら勉強を教えることは決して簡単なことではありません。しかし、この貴重な経験は今後の私にとって非常に役に立つと思っている為、これからも精進していきたいです。
 最後に高校生の皆様、合格への道のりは辛く心が折れそうになることもあるとは思いますが、これからの自分にとって必ずプラスになると思います。自分の思い描いた大学生活が送れるよう、志望校合格に向けて頑張ってください。心から応援しています。



2019年度奨学生 髙橋未来(岐阜大学)

 私は幼少から医師に憧れを抱き、医師になることを目標に人生を歩んできました。きっかけを覚えていないくらい幼少からです。ただ漠然とした医師への憧れは、家族の病気や介護に直面したことで、目的性と具体性を帯びたより強いものとなりました。そして今、私は自治医科大学の2年生に在籍して医学を学ばせていただいています。夢をかなえ、充実した生活が送れているのは十六地域振興財団様のご支援があってのことです。心より感謝申しあげます。
 弊学は医療の谷間に灯をともすというスローガンのもと、へき地医療に携わる総合診療医の育成を目的として設立されました。一番の特徴は、47都道府県から2・3人ずつ学生が集って全寮制の共同生活を営んでいる点です。同じ志を持った仲間との生活は刺激が多く、互いを高めあうことができます。特に協調性やコミュニケーション能力といった、臨床医に求められる基礎的な能力を養うことができます。部屋はひとり一部屋与えられますが、勉強はラウンジと呼ばれる共同スペースに数人で集まって行うことが多いです。ひとりで黙々と学習をする時間も必要ですが、複数人で知識を交換することでより理解を深められていると思います。
 この2年間で生理学や組織学、解剖学といった基礎医学を学びました。人体の仕組みについてマクロとミクロの2つの視点から学び、驚くほど緻密な構造と複雑な反応によって成り立っていることを理解しました。また本年は、ご献体を提供してくださった方とそのご遺族に感謝と慰霊を申しあげる、慰霊祭に参加しました。遺族代表の方がおっしゃっていたのですが、ご献体いただいた方の中に生前教鞭をとられていた方がおられ、「教師として生徒への最後の愛」として献体を志願されたとのことです。私はその愛に感銘を受け、またその愛を無駄にせぬよう一層勉学に励むことを決心しました。
 昨今では新型コロナウイルスが猛威を振るい、多数の死者・重症者が出ております。未曽有の事態に手探りの状態が続き、混乱する世間に不安を感じます。しかし5年後には自分自身が前線に出て戦わなければなりません。求められる理想は高く、やっと基礎医学を修めた身では想像もつきません。ですが今日まで私を支えてきてくださったすべての方の期待に応えるために、必ずや立派な医師となって地域の福祉に貢献したいと志しております。そのために、不自由な中でも今できることに全力を注ぎたいと思っています。勉学はもちろんのこと、様々なことに心を動かし、教養を身につけ、人として強く優しくあれるように、全国から集まった仲間とともに精進していく所存です。



2019年度奨学生 永井航太(自治医科大学)