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奨学生からの便り

私は現在、岐阜協立大学経営学部スポーツ経営学科に所属しています。私の夢は、車椅子の保健体育の教師となり、子供達がスポーツを通して自らの挑戦ができる環境を地元岐阜県につくることです。現在岐阜県には車いすの保健体育教師はいませんが、前例がないなら私が前例となります。
経営学部スポーツ経営学科では、「保健体育、商業」の教員免許、日本トレーニング指導者協会の指導者資格が取得でき、科学的根拠に基づいたトレーニングやコーチング方法を学び、発達段階に応じた適切な対処と技術力向上の知識を身に付け、安全管理についても教育・指導ができる人材を目指します。
2年次からは体育授業インターンシップ制度として、小・中学校の教育現場に出向き、体育授業の補助活動を通して子どもを見る目を養い、授業作りへの理解を深めつつ、高度な職業観、責任感、問題意識を持った教員を目指しています。
私は小学6年生で出会ったパラ水泳を通して障害は個性であると知り、夢と目標、生きる意味も見つけることができました。どんな困難な状況でもそこには必ず学びがあり、挫折や逆境は成長のチャンスで将来の糧であると知りました。私は子どもたちに「失ったものを数えるな、残された物を最大限に生かせ」のパラリンピックの精神と、悩み、落ち込み、挫折してもいい、出会った人との縁を大切にして感謝を忘れず、今できることを精一杯頑張れば、その先には必ず夢と希望があり、人間には不可能を可能に出来る力があることを伝えていきます。
現在、競技に取り組むと同時に、アスリート指導の資格取得や、パラスポーツの普及活動を始めました。また、共生社会への理解を深めるため、パラアスリートとして積極的にボランティアや小学校での講演、水泳授業も行い、共生社会の実現につながる取り組みも始めました。皆が大切な個性を認め合いながら生きていく、そんな社会にしたいと心から願い、私は人生をかけて「私にしかできない挑戦、私だからこそ出来る挑戦」を続けます。



2022年度奨学生 近藤 薫(岐阜協立大学)


私は現在、國學院大學文学部史学科に所属しています。私が所属している学科では、史学を中心に学び、歴史を多角的な視点から探究していく学修をしており、現在は日本史中世織豊期を専門にしています。特に私と同じ名字である有馬氏に対して強く興味があり、織豊期におけるキリシタンについても共に学修して自分なりにまとめています。大学で学ぶ歴史は高校の日本史や世界史の延長であると考えている人が多いですが似て非なる分野です。高校までの歴史の授業では、発生した事象について覚えていくことが基本ですが、大学では史料を自分の考えを持って読み取る力が求められます。当時を生きた人の残した史料から時代を知り、新たな発見や解釈を生み出すことで歴史について考えていかなければなりません。近年、教科書の記述が多く変化するのは私たちのような史学を探求していく人による新たな発見があったからです。日本最古の金銭や鎌倉時代の創設年の変更は先例を覆した研究の成果によるものです。歴史は不変のものではなく時代によって変化するものであるという考え方も史学科には求められます。史学科ではすべて漢字の文献や崩された文字しかないような読みづらい史料が多く、それを読み解いていく必要がありますが努力を重ねて読解していく苦労も楽しいものであると私は思います。また、日本史を学修していく上で和装にも興味を持ち始め、着物や笠を身に着けて全国の寺社や城巡りをすることを趣味とすることで、趣味を通じて視野を広げてさらに歴史への理解を深められるようにしています。本や史料を読むだけではなく現地を実際に訪れることは私にとって重要な史学探究です。
現在所属している学部学科は私にとって最も興味がある分野であったため、大学での学修や生活はとても充実したものとなっています。大学や学部学科選びを迷っている方は、自分の興味のある分野がどのようなものなのかを見つめなおして考えてみてください。小さい頃から好きだったこと、これからやってみたいことなど選ぶ理由は多岐に渡ります。より良い大学生活を過ごせるように重要な選択であるため、しっかりとした理由を持って進路を決めましょう。探究心を持って何事にも全力で取り組みましょう。



2022年度奨学生 有馬一輝(國學院大學)

こんにちは、名古屋大学医学部医学科に在籍している川﨑亮と申します。
学年を重ねるごとに医学の知識は深まり、現在医師として活躍されている方や学年が上の先輩方には当たり前なことも僕が感銘を受けた出来事としてお伝えします。温かい目で見て頂けると嬉しいです。
医学科2年生では基礎医学を勉強します。基礎と言っても簡単を意味する言葉ではなく、人の人体全体に関係するもので基盤をなすことを意味する基礎になります。印象的だった出来事は2つあります。
1つ目は肉眼解剖実習です。
ご遺体を解剖することは通常死体損壊罪に当たり、解剖する権利を認められているのは医学科・歯学科のみになります。自分達に与えられた特別な権利、またその権利を使って医師として成長しなくてはならない責務を感じ実習に臨みました。対面するご遺体は、教科書に載っているような簡単な構造ではなく幾重にも組織や筋肉が重なり合い、予想通りに解剖が進まないことが数多ありました。何度もめげそうになった時、僕を支えたのはご遺体を提供していただいたご家族の気持ち、医師になるための責務・自覚でした。またメス1つで人体構造に立ち向かう過程は将来、外科医として活躍する未来を想起させるものであり心が躍ったことを今でも覚えています。
2つ目は生理学です。
生理学とは「この世の理を司る学問」です。身近な例では、「なぜ運動すると心臓がバクバクして息がハーハーなるのか」に応えるのが生理学です。その中で僕が非常に印象に残ったのは情動(気持ちの意味ですが、生理学ではそれを情動と言います)のメカニズムです。
目や耳、鼻などの入力が脳の腕傍核に入り、さらに扁桃体に入力するとそれに対して喜怒哀楽を生じさせます。自分の気持ちでさえも明確な経路で制御されていること、またそうした経路が日夜の研究で明らかになっていることにワクワクが止まりません。

生理学、その他いろいろの授業で取り扱う内容は教科書に載っていない、あるいは数年後に教科書に載る内容です。すごいと思いませんか?僕はすごいと思いました。
名大という最先端の研究機関だからこそできる授業であり、感動と驚き、知的好奇心をくすぐるものが多くあります。将来名大に進学したいと考えている学生は多くいると思います。未来への期待を持って頑張ってください!



2022年度奨学生 川﨑 亮(名古屋大学)

私は現在、明治大学農学部食料環境政策学科に所属しています。食料と環境を巡る課題について、経済学や社会学、政策学、経営学などの社会科学の側面から考究する学科です。一年次は基礎的な学習が多く、教養科目や入門科目を受講しました。中でも、社会調査法入門では社会学の基礎と共に課題に対し、どう考えていくかについて学ぶことができました。データをもとに考え、仮説を立て地域に向き合うことは一歩一歩着実に人の心に寄り添いながら地域の課題を解決するものでした。このような講義を通して多面的に農業について学んでいます。
二年次には栃木県で行われたファームステイ実習に参加しました。コメの生産と一貫経営で和牛を飼育する農家さんの元で一週間お世話になりました。コメの収穫や牛への給餌など様々な作業を行いました。これらの学習を通して、生産者と消費者をつなげる活動に興味を持ちました。そこで、三年生から始まるゼミ活動では、農家さんの元で行うフィールドワークや産官学連携活動を活発に行うゼミを選択しました。主体性を持ちながら、農業や食における課題の解決、価値創造に取り組んでいきたいです。
また、サークルでは酪農化学研究部に所属し夏休みに行う北海道遠軽町での牧場実習に参加しました。生明祭では酪農化学研究部で遠軽町の精肉店から仕入れたジンギスカンを仕入れて焼うどんの模擬店を出店しました。実習を快く受け入れてくださる遠軽町さんへの恩返しをしながらサークルで協力し、三日間を終えることができました。
今後の学生生活では、ゼミ活動、サークル活動を通してもっと農業について学んでいきたいと考えています。私の生まれ育った岐阜県は農業が盛んにおこなわれています。地域を代表する農産物も多くあります。現在、あらゆるものの値段が上がり生産者にも消費者にも厳しい状況が続いています。これからも持続的な農業のためにはどうしていくべきか、学んでいきたいです。
進学を目指す皆さんは、今後なにをしていきたいと考えていますか。やりたいこと、やらなければいけないこと、やりたくないこと、たくさんあると思います。ですが、自分を信じて自分のためにさまざまなことに挑戦してください。一緒にがんばりましょう。



2022年奨学生 永田明衣(明治大学)