シンガポール向けクロスボーダーローン(海外現地法人向けの直接貸付)の取扱について

2014年09月17日

当行は、日本国内の営業店からお取引先企業のシンガポールの現地法人向けにクロスボーダーローン(米ドル建)を取扱いましたので、下記のとおりお知らせします。
お取引先企業のシンガポール現地法人へのクロスボーダーローンは、当行としては初の取組みとなります。
当行はシンガポール駐在員事務所を今年度中に開設する予定であり、シンガポールに東南アジアの統括拠点を設置するお取引先企業様へのサポート体制を強化してまいります。

1.クロスボーダーローンの概要

(1)借入人 YABASHI ENTERPRISE PTE.LTD
(矢橋ホールディングス株式会社のシンガポール現地法人)
(2)実行日 平成26年9月17日(水)
(3)貸付通貨 米ドル
(4)金額 280万米ドル(約3億円)
(5)期間 3年
(6)取扱店 赤坂支店(岐阜県大垣市)

2.借入人について

矢橋グループは、鉱山・石灰石加工・住宅資材製造・金属関連事業を営む当地区有数の企業グループであり、現在はベトナム、韓国、ミャンマーに設立した海外子会社を通じて海外事業展開を行っています。
これまでは、グループ内の国内事業会社が海外子会社の事業統括を行ってきましたが、今後、一層の海外事業拡大及びグローバル化の促進を経営課題と位置付ける中、本年2月に、これらの海外子会社の統括的役割を担う会社(本件借入人:YABASHI ENTERPRISE PTE.LTD)をシンガポールに設立しました。
今回、シンガポール現地法人が、国内グループ会社からではなく、海外で金融機関から直接資金調達を行うことにより、為替変動リスクの軽減やグループの出資関係を見直し、グループ内の経営効率化・海外事業展開の一層の強化を図っていくものであります。

企業の海外事業展開が活発化するなか、アジアに複数の子会社を保有する企業が増えていますが、一般的にシンガポールは、情報集積、人材、税務、アクセス等の点において、他の周辺国に比べメリットが大きいと言われており、当社のように、シンガポールに海外子会社の統括会社を設立する動きが、今後増えてくるものと考えられています。

3.今回のクロスボーダーローンの特徴について

海外現地法人で発生する資金ニーズに対しては、日本の親会社が資金貸付(いわゆる親子ローン)により対応することが一般的です。しかしながら、親子ローンの場合、一般的には、親会社または海外現地法人において「為替リスク」(注)を抱えることになります。
今回のクロスボーダーローンは、米ドル建での海外現地法人に対する直接貸付であり、従来の親子ローン取組み時に発生していた「為替リスク」を軽減するスキームとしている点に特徴があります。

(注) 親会社が国内で調達した円を元に、子会社に円又は外貨で貸付するため、親会社もしくは現地法人に為替相場の変動による資産、負債の増減リスクが発生します。

以上